
社労士試験の合格、本当におめでとうございます!
あなたのこれまでのたゆまぬ努力と、強い意志の結果に他なりません。本当にお疲れさまでした。
ここからは、「社会保険労務士」として実際に活動するための、ステップについて説明します。
合格から「登録」までの全体像
社会保険労務士(社労士)として働くには、主に次の3つのステップを踏みます。
- 1.通知を受け取る
- 社労士試験に合格すると、社労士会から「登録のお知らせ」が届きます
- 2.登録要件を満たす
- 社労士として登録するためには、「2年以上の実務経験」が必要です。
ただし、実務経験がない、または実務経験が2年未満の場合は、「事務指定講習」を受講・終了することで、2年以上の実務経験が免除されます。
- 3.社労士会に登録する
- お住まいや勤務地がある都道府県の社労士会を通じて、登録手続きを行います
登録のタイミングについて
社労士試験の合格は生涯有効です。そのため、合格したからといってすぐに登録する必要はありません。
すぐに社労士として活躍したいのか、それともご自身のライフプランに合わせてタイミングを見て登録したいのか、あなたの自由な選択が可能です。
登録を急がない場合の例:今の会社を2年後に早期退職し、その退職金を使って開業
登録をすると、後述の費用が発生しますので、必要なタイミングで登録を行ってください。ただし、登録を遅らせる場合でも、法律や制度は常に改正されます。その間に知識が薄れたり、最新の法令についていけなくならないよう、引き続き勉強は継続するようにしましょう。
登録するための条件
社労士として登録するためには、「2年以上の実務経験」が必要です。この実務経験とは、単なる一般的な事務作業ではなく、社会保険労務士法施行規則に基づいた、専門的な労働社会保険諸法令に基づく事務を指します。
認められる実務の一例
- 労務管理に関する事務
- 就業規則(変更)届に関する事務
- 時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定)の作成
- 労働者名簿の調製
- 社会保険・労働保険の手続き
- 雇用保険、健康保険、厚生年金保険の被保険者資格取得届・喪失届に関する事務
- 健康保険、厚生年金保険の被保険者報酬月額算定基礎届・月額変更届に関する事務
- 雇用保険被保険者離職証明書の作成
- 労働保険の概算・確定保険料の申告・納付に関する事務

これらの事務のすべてに従事している必要はありませんが、複数の事務に携わっていることが望ましいとされています。一方で、給与計算事務は、原則として労働社会保険諸法令関係事務には該当しないため注意が必要です。また、実務経験として認められるためには、「従事期間証明書」を勤務先から取得する必要があります。証明の形式や書類に不備があると、登録が認められない場合もあるため、ご注意ください。
事務指定講習とは?
正式名は「労働社会保険諸法令関係事務指定講習」といい、2年間の実務経験がない人も、この講習を修了することで社労士の登録が可能となります。
受講料:77,000円
| 課程名 | 目的・学習方法 | スケジュール(例年) |
|---|---|---|
| 通信指導過程 | 複数企業の事例をもとに、雇用保険の手続きや労災給付の処理方法など、実務の手順を教材で自主学習 | 2月~5月(約4か月) |
| eラーニング講習 | 年金法などを中心に、eラーニング形式で学習(1科目3時間) | 7月~9月(約3か月) |
社労士会への登録:働くスタイルに合わせた「登録の種別」
手続きの際、自分がどういった働き方をしたいかで、登録する種類がことなってきます。
| 登録の種別 | どんな働き方 |
|---|---|
| 開業 | 自分で事務所を設立し、独立して顧客の業務を行う |
| 勤務 | 企業や社労士事務所に雇われ、その従業員として働く |
| 社労士法人の社員 | 社会保険労務士法人の社員として働く ※法人を通じて社労士業務を行うため、個人で登録の必要がありません |
登録にかかる主な費用
登録・入会には、次の費用が発生します。
(金額はあくまでも目安で、入会費・年会費は都道府県によって金額が異なります。)
| 項目 | 開業登録 | 勤務等登録 |
|---|---|---|
| 手数料 | 30,000円 | 30,000円 |
| 登録免許税 | 30,000円 | 30,000円 |
| 入会費(※) | 70,000円~150,000円 | 40,000円~100,000円 |
| 年会費(※) | 84,000円~120,000円 | 42,000円~100,000円 |

登録すると、資格を維持するために毎年年会費が発生します。そのため、すぐに開業する予定がない場合や、現在の仕事で社労士資格を特に必要としていない場合は、急いで登録しないという選択肢もあります。登録は合格後いつでも可能です。
合格はあくまでスタートラインです。
社労士として活躍する道には、顧客獲得の壁など、いくつもの困難が待っているかもしれません。ですが、ここまでの努力を積み重ねてきたあなたなら、必ず乗り越えられます。
大きな自信を持って、次のステップへ進んでください!
