社会保険労務士って、人のためになりそうだし、ちょっと資格取得してみようかな?

はっきり申し上げます。覚悟がないなら、手を出さない方がいいです。

社労士試験は難易度が高く、かけた時間と労力に対して得られるリターンが見合わないと感じる、いわゆる「コスパが悪い」資格と評価されることもあります。

あなたの目的が曖昧な状態で勉強を始めると、膨大な時間と費用を失うリスクが非常に高いです。

社労士資格を目指すべき人・諦めるべき人

この資格に挑むかどうかは、「覚悟」の有無で決めるべきです。

挑むべき人:熱い思いと明確な目標がある人
  • 独立開業という強い目標がある
    • 何年かかっても、独立して自分の社労士事務所を開業したいという「熱い思い」がある人。
  • 人生を賭ける覚悟がある
    • 合格まで私生活を大きく犠牲にしても構わない、という強い意志がある人。

社労士には独占業務があり、この資格がなければできない仕事が存在します。この「社労士にしかできないこと」に魅力を感じ、仕事として人生を懸けたい人だけが、合格というリターンを得るに値します。

諦めるべき人:労力に見合ったリターンを求める人
  • 「会社で人事の仕事をしているから、ついでに取ってみようかな」
  • 「キャリアアップのために、手軽に取れる資格を探している」

このような動機では、試験の難しさや長期間の勉強に耐えられず、途中で挫折する可能性が極めて高いです。労力に見合うリターンを求めるなら、他の資格を検討した方が賢明です。

難易度と合格までに必要な「覚悟」

  1. 合格は「実力」と「運」に左右される

合格に必要な学習時間」のページでも記載したように、膨大な時間をかけて勉強しても、実際に受かるのは受験者全体の数パーセントです。

法律の条文や、過去の判例、統計データなど、膨大な知識が問われます。あなたが「一度読んだだけで全てを記憶できる」ような天才でない限り、多くの人が努力と並行して運の要素にも左右されます。

  1. 長期戦を覚悟する

社労士試験は平均受験回数が4回とも言われています。これは、多くの人が合格までに4年間は努力し続けていることを意味します。

もちろん、運が悪ければ10年かかっても合格できない可能性もゼロではありません。その代わり、必死で努力し続け、絶対に諦めなければ、いつかは必ず合格にたどり着けるとも言えます。

もし挑戦を決意するなら、まずは1年間と期限を区切り、全力を尽くしてみてください。そして、1年で無理だと感じたら、潔く諦める、または「何年かかっても絶対に諦めない」という覚悟を固めて再挑戦する、どちらかの決断が必要です。

次の章では「社労士になったあとの大変さ」について解説します。